邂逅
蜥蜴も蟇も蝙蝠も
どれも今夜はないけれど
ぐつぐつ夢を見てはいる
(キレイハキタナイ キタナイハキレイ)
こんな寝言を吐いては吸って
ぼくはぐつぐつ夢を煮ている
唾液と爪と汗脂
アレも少々混ぜたはず
だが不覚にも
いつしか寝入っているのだった
(キレイハキタナイ)
(キタナイハキレイ)
こんな真のことが
きみに知れたらどうしよう
深く深くへ
きみは逃れようとしているのに
それでもけれどもぐつぐつと
煮えているのだ気づかぬまにも
たといふたりが死んだふりしていても
たしかにきみはぼくに似て
だから煮ているのだ恥ずかしさも企みも捨て
(シンジツオマエガホシイナラ
キタナイモノヲダクガイイ
キレイナモノヲダクガイイ)
遠くのほうからあざけるように
遠くのほうへいざなうように
醜い老婆の声が
低くかすれて聞こえてくるが
すでに
夢のうつつに知っている
きみの頭上にぽっかりと
赤く大きな月があるのを





